――学校 朝のホームルーム――
「え~、今日は転入生がいます。あ~、じゃ、自己紹介して。」
「秋月明(あきつきあきら)、趣味は寝ることです。よろしく」
「ん~、とりあえずあそこの席が開いてるから、そこでうんたらかんたら」
「はい」
「あ~、それじゃ出血の確認を行う。秋月……は居るよな。入江」
「はい」
「宇佐美」――
――昼休み――
(前の学校より若干授業の範囲が違うな…今度予習しておかないと。)
「あ~秋月、それと入江、ちょっと来い」
「なんですか」
「入江、お前クラス委員だったよな、秋月に学校を案内してやってくれないか」
「わかりました」
「……」
「あ、え~と……、秋月です。よろしく。」
「入江衣里耶(いりえいりや)。学級委員。それじゃあ案内するからついてきて。」
「あぁ」
「……」
「……」
「ここ、学食。ごはん食べるところ。」
「お、おう」
「じゃあ私これ」
ピッ
「えっ」
入江は券売機にお金を入れ、ボタンを押したようだ。
(案内するんじゃなかったのか…?)
「秋本君は何にするの?」
「えっ…えーと」
「チッ」
「え…」
「券売機の前で悩むと舌打ちされるから選ぶときは入り口の横にある食品サンプル見て決めるといいよ」
「えぇ…」(じゃあ適当にこれで)
二人は食事を受け取り、4人がけの席に座った。
「…」
「何?」
「いや、学校案内してくれるんじゃなかったのかなと」
「先にご飯食べないと、間に合わなくなる。」
「まぁ、そうだね」
「…」カチャカチャ
「…」カチャカチャ
「…」カチャカチャ
「…」
(食うのおせぇ)
――数十分後――
「…」
「…」
「じゃぁ、次は」
キーンコーンカーンコーン
「予鈴鳴ったから、あとは明日。」
「お、おう…」
(いや、飯は毎日食うんだからそれで時間終わったら一生案内できないだろ…)
「…?」
(大丈夫なのか…こいつ。)